PHS-MOBILE.COM
モバイル版

中国のPHSが完全停波の命令を受けた模様。

2009/02/04 21:24

さて、中国のPHSが終了、という話。いや、ニュースソースは(多分)時限付き記事なので、リンクではなく一部引用で。

中国のPHS「小霊通」撤退が3日、ついに決定された。中国移動(チャイナ・モバイル)はこの日、政府主管部門からすべての1900―1920MHz周波数の無線システムを2011年末までに引き揚げ、1880―1900MHz周波数のTD―SCDMAシステムに影響がでないよう明確な指示を受けたと表明した。

news from Asahi.com

ちょっとわからないのが、PHSをやっている再編後のキャリアは、チャイナテレコムとチャイナユニコムの二社のはずなんですよね。なのに、ニュースソースがチャイナモバイルの話として伝えているので、ちょっと「???」な感じではあるんですけど。

ただ、ニュースの行間を読むなら、これは、中国政府が「全てのキャリアに対して」「1900―1920MHz周波数の無線システムを2011年末までに引き揚げ」ろ、と命令した、ということに読み取れます。要するに、TDS-CDMAを始める帯域に困って、いろいろ検討した結果、あまり需要のないPHS向け帯域をお取つぶしにすることに決めました、という発表である、と。

これがチャイナモバイルから発表されるのは、チャイナモバイルこそがTDS-CDMAの免許を持っているから。つまり、「自分たちが事業できる帯域をもらえたよー」という喜びの発表を、世界に向けて発信したわけです。ベンダさん、ビジネスチャンスですよー、と。そう考えると、チャイナモバイルだけがこの発表をしたことに合点がいきます。

さて。中国でのPHSがこれで完全に終了となることが決定してしまいました。東南アジアはもとより、南米、アフリカで進んでいたPHS事業の準備は、これで全て頓挫し、白紙撤回となるでしょう。というのも、それらの地域に基地局を提供していたのは、紛れもなく中国国内のメーカだったからです。中国向けの大量の需要を裏づけとして、各地域に格安でPHS基地局を提供し続けることが出来たそれらのメーカは、中国での需要が完全にシュリンクすることが決定となれば、生産を縮小し、あるいは、完全撤退という選択をするでしょう。PHS基地局の入手製は一挙に悪くなり、価格も高くなり、元々「基地局が格安で入手できるから」という理由でPHS導入を進めていた各地域の熱意は一気に冷え込んでしまうでしょう。安定してサービスしているタイ、ベトナムでさえ、設備更改のコスト増を嫌ってPHS撤退を検討し始めるはずです。

当然、中国で進んでいたW-SIM導入の話も完全に終了。中国需要を当て込んで投資していたチップベンダなども当てが外れて大変な損失を出してしまうかもしれません。

その全ての影響は、結局は、PHS発祥国である日本に帰ってきます。PHSのパテントで儲けている会社というのは多分ないはずですが、しかし、日本はPHS技術に関しては当然ながら世界一のノウハウを持った会社がいくつもあります。各国での端末、基地局、エリアの設計などで技術供与という形で協力し見返りを得ている会社が確実に存在します(どことは言いませんが)。そういった目があるからこそこれまでPHSに投資し続けていた会社のPHSに対する投資マインドが一気に冷え込んでしまう恐れがあります。

その結果は、国内でのPHS関連メーカの撤退や調達コストの上昇という形に表れるはずです。そう、やはり最大の割を食うのは、ウィルコムということです。ウィルコムの機器調達コストの上昇は当然営業利益を圧迫します。ただでさえ超低空飛行のウィルコム、この中国終了のお知らせによってわずかでも機器調達コストが上がってしまうと、激突死してしまう可能性があります。

今回の中国政府の決定に、私はかつてないほど、PHSの危機を感じています。何より、中国政府は結構アバウトにいろんなことを決めちゃう節がありますし、その結果により起こる企業倒産などの結果に頓着しない体質です。今回の決定で一部産業が大ダメージを食らってしまう、という直訴をしても、無駄に終わる可能性が非常に高いです。日本政府が直接文句を言っても、むしろ逆効果でしょう。日本発の技術を何で守ってやらにゃならんのだ、と。中国は今、国家の威信をかけてTDS-CDMAを推進している最中です。

この、PHS最大の危機に対して、ウィルコムは何かできることを必死で考えなければならない、と感じています。今の経済状況では厳しいでしょうが、海外法人を自ら立ち上げ、PHS事業を開始・支援するくらいの意気込みがないと、日本以外の全ての国のPHSが一挙に消えてしまうことになります。

しょせん投資ファンドのカーライルには期待できません。ここは、もはや実質の親会社京セラに立ち上がっていただくしかないのかもしれません。その京セラとて、不況で業績がどうなるかわかりませんが、ウィルコムという弱小中堅企業よりはまだ信用はあるはずです。

私自身、今回の中国政府による決定の結果を想像して背筋が寒くなっているところで、なにをどうすればいいのか混乱して全くわからなくなっています。とにかく、次世代PHSなんていっている場合ではなくなったのではないか、と感じています。各所に土下座してでも次世代PHSの免許を返上しPHSに全力を傾ける、くらいのことを検討するくらいの危機ではないかと思っています。

もうちょっと心が落ち着いたらまたゆっくり考察してみますが、本日のところはこんなまとまらない文章でご勘弁ください。でわ。



ついったーに投稿

コメントトラックバックができます。



コメントあり to “中国のPHSが完全停波の命令を受けた模様。”

  1. boroneko2k :
    2009/02/04 at 22:06:27

    うわっ… ほぼPHSとおんなじDECTごときがIMT-2000の認証受けて居るんだから、高度化PHSのTYPE2(900kHz帯域でナイキストフィルタの条件を変えて3.3倍の速度が出る奴)で×8、256QAMで負けずに認証受けろ、の夢が…

    それはともかく、PHS側がガードバンド5MHz分を提供、最悪10MHz提供して10MHzで細々と食いつなぐ、これぐらいが期待できる最大限ですかね…

    あとは、京セラがiBURSTと統合してどうにか維持…これも期待薄いなー…

  2. winterside :
    2009/02/04 at 22:20:18

    >各所に土下座してでも次世代PHSの免許を返上し
    >PHSに全力を傾ける、くらいのことを検討するくらいの危機ではないかと思っています。

    でも、この場合において現行PHSに全力を傾けてどうなるのでしょうか?
    既にPHSの性能自体は限界が見えてます、というより本当はとっくに限界超えてると思います。
    自分はPHSの音声通話の明瞭さは気に入ってます。
    最近とみに利点が薄くなってきているパケット定額もいまだに気に入っています。
    しかし、このままのサービスを続けたとしたら、いつまでも使い続けるとは思えません。
    おそらく他の人もそうではないでしょうか?

    むしろ、
    次世代を無理矢理にでも早く始めて国内生き残りの賭に出るか、
    次世代の免許を返上し、事業をたたむ準備を始めるほうが現実的のような気がします。
    NTTのISDN網もいつまで使えるかわかりませんしね。

    さて、どうなりますかねぇ。

  3. FT :
    2009/02/04 at 22:36:31

    Google Newsで検索してみると、ニュースソースはasahi.comに掲載された人民日報の記事でしょうか。

    1880〜1900MHzのTD-SCDMAと干渉するからなんとかしろというのはわかるけど、
    そこでガードバンド5MHzとかじゃなくて全部引き上げろというのがなんとも…

  4. Xirox :
    2009/02/04 at 22:52:53

    中国版PHS「小霊通」、2011年にサービス終了(Chinapres 02/04 14:06)
    http://www.chinapress.jp/mobile/16211/
    ってニュースソースもあります

    私もwintersideさん同様、現行PHSを早期に巻き取って次世代PHS勝負なんじゃないかと思うんですが。
    次世代PHSのデータ通信に注力すればドコモへの売却話が再燃するかもしれません。
    カーライルも追い詰められた感がありますから格安でも手放んじゃないでしょうか

  5. GORI :
    2009/02/05 at 0:34:08

    http://www.venture.nict.go.jp/column/icbs/column_04/images/04_ill02.gif
    うーん、上位側のTDD帯域であるPHSより、下位側のFDD帯域のほうが影響大きそうなんだけどなぁ。

  6. Ko :
    2009/02/05 at 0:41:02

    そもそも中国での需要がイマイチだってのは
    ここ最近で急に出てきた話ではないんですよね?たしか。
    間違ってたらすんませんが。

    そうなると懸念される問題は中国国内での基地局量産がなくなる事
    だとすれば、タイ、ベトナムあたりの企業に事業譲渡して量産
    つー訳にはいかんのですかね?
    今のご時世どこも仕事欲しくてたまんないわけですが、
    中国で作ってるもんには基本的にはどうあがいても勝てないという
    背景があったわけで、それを引き上げてくれるってんですから、
    心おきなく量産体制整えれば良いのかなーなんて。

    中国での需要がなくなるといっても、中国メーカー相手にお手上げ状態に
    ならなくてすむってのは、同じように賃金安いってことで
    日系企業が開拓してきたそれ以外の国での生産がしやすい環境になってくるんじゃないかなと。

    それでももちろん今までどおりのコストとは行かないでしょうが、
    最悪の事態を乗り切るにはとりあえず何とかなりそうな・・・

  7. Ko :
    2009/02/05 at 0:54:03

    って、今調べたら7000万人もの需要があったのかw
    そりゃ大変だわw

  8. けむ :
    2009/02/05 at 1:08:31

    >今回の中国政府の決定に、私はかつてないほど、PHSの危機を感じています。
    中国政府の決定より、中華キャリアの再編によりこの結果になったといったほうが、影響大かと思います。3社に統合された段階で時間の問題かと感じていました。
    まあ、PHSのchip・端末・基地局技術をもった会社には悪い知らせですかね。某W-SIMの開発中断とか既に影響でているようですが。

    ただ、あの中国なので今後何が起こるかわかりません。元々PHSサービス自体違法なのに、サービス開始してしまった国でしたし。つうか、TD−SCDMA自体先行き怪しいので、どういう結論になるのか興味ありますけど。2011年以降もサービス続けていたりして…

    >ただでさえ超低空飛行のウィルコム、この中国終了のお知らせによってわずかでも機器調達コストが上がってしまうと、激突死してしまう可能性があります。
    自ら低空飛行を選んでいるので、中華に関係なく結末を迎えるのかなと思っております。仲間を作るのが下手すぎですね…

    >ここは、もはや実質の親会社京セラに立ち上がっていただくしかないのかもしれません
    技術に関しては、大口叩いているウィルコムよりは、京セラ頼みだったのでしょうし、この際京セラに最後の一勝負でも打っていただけると面白いかもしれませんね。…でもバックボーン技術が有るのかしら…

  9. taro :
    2009/02/05 at 11:23:13

    > しょせん投資ファンドのカーライルには期待できません。
    > ここは、もはや実質の親会社京セラに立ち上がっていただくしかないのかもしれません。
    > その京セラとて、不況で業績がどうなるかわかりませんが、ウィルコムという弱小中堅企業よりはまだ信用はあるはずです。
    >

    とんでも論であることは承知していますが、こんな作業仮説を立ててみるのはいかがでしょう?
    ウィルコムの時限的国有化。
    官公庁など、公的機関の通信は基本的にウィルコムにする。
    運用は現社員たちが行う。コスト的にも、安全保障上の観点から言っても、日本製の通信技術で日本国の運用を行ったり、日本国民の生活を支えるのは至極まっとうな話。水道なんかと同じように考える。
    となると、当然次世代の免許も返上ですな。

    これにより派遣切りされている人たちや、生活保護を受けている人たちもケータイが持てるようになる。
    こうして基本的人権は守られる。
    当然、Lowerなマーケットはシュリンクしていくので、メーカーは海外進出をするか、ウィルコムの納入業者にもなる。
    通信(コミュニケーション)って人間の本能的欲求なので、こういうビジネスの論理だけでなく、社会福祉的観点で考えるのもひとつの選択肢としては面白いと思う。
    で、官公庁系の需要できちんとやりくりができる目途が立ったら、民営化する。

    反論、お待ちしています!

  10. GORI :
    2009/02/05 at 12:21:58

    中国向けの市場がなくなることでコストが増加する、までは理解できますが……
    そこまで致命的かどうかは微妙な気が。

    そもそも、中国のPHSって撤退の話が全く無かったわけじゃないし。

  11. mm :
    2009/02/05 at 14:50:08

    オリンピックの為に、誘致した外資企業ですら強制退去させる国なので特に不思議とは思いません。
    暇(?)人さんが過剰反応しすぎだと思います。
    ただ、PHSの普及という観点においてはマイナスであり、国際的に展開する上では見込みが無くなったでしょうね。
    ドコモみたいな資金力もありませんし、次世代PHSの利点を発揮して「採用させてくれ」と言われるような、成功例を作らないといけませんね。
    マーケティングと技術の向上が生き残る鍵になるかも。

  12. cat-mimi :
    2009/02/05 at 17:17:36

    >この、PHS最大の危機に対して、ウィルコムは何かできることを必死で考えなければならない、と感じています。

    ウィルコムの持っている力で進めるペースで進んでいけば良いだけだと思います。

    無理な行動を起こしたところで、経営体力を奪われるだけだと思います。

    日本国内で、地道に頑張りましょう。

    それが、ウィルコムの良いところだし、好きな部分です。

  13. GORI :
    2009/02/05 at 21:04:20

    結局のところ「市場として大きい中国からPHSが撤退することになりそうだ」ということ『だけ』が事実であって、それ以外の部分は単なる『妄想』なわけですよ。

    チップセット等のベースとなる技術の新規開発は鈍る、もしくは止まるかもしれませんが、すでに出来上がって生産しているものに、それほどの影響があるとも思えないんですが……。

  14. boroneko2k :
    2009/02/05 at 21:53:47

    維持するに見合う見返りがあれば、粛々と基地局等の生産は続くでしょうけど(端末はほぼ無問題でしょうねー、日本向けは)、値上げ圧力はあるでしょうね、出荷される数がえらく変わるでしょうから。

    ただ、当面はウィルコムのリソースはcoreに徹底投資、にならざるを得ないでしょうね。
    元祖PHSもまだまだ伸びしろはあるんですけどね…

  15. nohoden :
    2009/02/05 at 22:08:27

    nohoden っていいます。一応ウィルコムユーザーです。いつもためになるサイトだなっと拝見させていただいてます。

    次世代PHSからの撤退っていう暇人さんのお話。自分的にはそれもありかな〜って思いました。
    結局地道にエリア拡大しても、その投資に見合うだけのユーザーが集まるかどうか。。。

    いっそ現行の高度化PHSの拡大につとめ、電波が弱い地方での音声端末の利用拡大、1Mbpsぐらいの実用速度?で1980円ぐらいでの低価格のデータ通信サービスなんてやってもらえば。ウィルコム定額プランはやっぱウィルコムの強みと思いますし。イーモバがさらに条件あり780円の対抗プラン出してきてはいますが。。。。

    んで次世代PHSでもらった電波返上した代わりに、ほかのキャリアが提供する数十Mbpsのデータ通信サービスをMVNOでやらしてもらえればいいのではないかなぁっと。正直体力がないウィルコムがほかのキャリアと高速モバイルと真っ向勝負しても途中で頓挫しちゃうのでは〜みたいな。すでに開始時期だけで言えばUQに負けてますしね。

    こういうのを人のふんどしで相撲を取るっていうのかなwもしくは日本通信戦法?w

    でも次世代PHSもテストサービスが目の前だからもう返上も実際無理なんでしょうかねぇ。

    以上、W-OAMが待ち遠しい地方ウィルコムユーザーでした。失礼しました。

  16. 唄う電車 :
    2009/02/06 at 3:01:06

    反米政権な国が、アメリカ資本の参入阻止やライセンス料回避を目的に、PHSを導入する可能性はあるのかナ? ただこれも、中国がTD-SCDMAの輸出を本格化させれば、モロに競合してしまう…。

  17. GORI :
    2009/02/06 at 11:23:40

    TD-SCDMAねぇ……
    http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0806/30/news098.html
    >では肝心のTD-SCDMA回線による速度はどうか。
    >試した都市は北京、上海、深セン。
    >中国内/中国外(例えばYahoo!Japan)のWebサイトともに下り350kbps前後、上り100kbps前後の速度が出た。
    >体感値としても中国内で現在提供されるEDGE(実質100kから 150kbps程度)よりも快適と思えた。
    ショボっ!!
    次世代どころか、(日本の)現行PHSと同じレベルですかぃ。
    それも商用テスト段階でコレ?
    なんかすげぇ悔しいんですけど。

  18. boroneko2k :
    2009/02/06 at 23:57:22

    よっぽどPHS用の基地局の値段が安くなって(それこそ10万円で1C31Tで16QAM位は)場所も無償に近い提供があれば、結構な国が採用するでしょうけどねー…
    DECTを採用している国で置き換えるメリットが思いつかない…

  19. IGAのつぶやき(2009-02-06) | IGALOG-RRR :
    2009/02/07 at 0:02:26

    […] Posted an item on Generic. 中国のPHSが完全停波の命令を受けた模様。 - AIR-internet-EDGE […]

コメントを書く

496

ログインしてコメントしてください。