空中から電力を得て動く携帯電話
2009/07/03 21:51なんか、Nokiaが空中の電力だけで動く電話を開発みたいなニュースが出てて、いや、最初からジョークニュースだろうと思ってたらいろんなところでまじめに取り上げられてて、なんか、本当のニュースみたいで。
Nokia、とうとう狂っちゃったかな?(笑)
いやいや、もちろん、原理的には、可能なんですよ。と言うか昔からみんなが研究していて、まぁ要するに「めちゃくちゃ低消費電力のデバイスとめちゃくちゃ低損失の無線系」の開発だけがこの可能性のキモなんですけど、それにしても、携帯電話ほどの機器をまともに動かすのは、はっきりいって無謀、と言うか、まずありえないと言わざるを得ないわけで。
いやさ、発表文の中では、「空中から1mWを取り出して駆動した」と言っていますが、そりゃ、1mWも取り出せれば、動くに決まっています。それが現実的に不可能だから、みんな苦心しているわけですよ、もっと少ない電力で動くデバイスを、と。
簡単な計算です。件の発表では、300MHzから10GHzまでの空中の電波をくまなく受信、と言っていますが、ぶっちゃけ、この帯域内で、一番強力な電波は、間違いなくテレビ放送です。はっきりいってそれ以外のあらゆる無線通信の電波は、合算しても誤差にさえ寄与しないほど小さな電力。たとえば、目の前(5メートルの距離)においてある無線LANの基地局でさえ、0.0001mWの電力しか供給できません。1kmの距離にある携帯電話の電波はさらに2桁下。数百kmの距離の衛星からの電波なんて、さらに下です。この程度のものが10や100ほど見えたと言っても、まさに誤差以下。だから、「空中から電力を取り出す」と言ったときには、これはテレビ(とラジオ)放送波だけが唯一の頼りです。
ではそのパワーは、と言うと、たとえば、現在、東京タワーが発射しているテレビ・ラジオの全放送局分を合算すると、大体500kWほどになります。この東京タワーから5km離れた位置で、理想的な受信系で受信したときに取り出せる電力が、0.3mWです。すでに足りません。東京タワーから5km以内に住んでいる人なんて、このサイトの訪問者の中にだってどれだけいますか、ってくらいですよね。それでさえ、Nokiaの言う1mWは取り出せない。1mWを取り出すには、最低3kmより近い位置で、東京タワーが直接見える位置に受信機を設置しなければなりません。こんな限られた環境で、しかも、受信機技術が理論的究極に到達して、ようやくNokiaの言う1mWの取り出しが可能になるわけです。
しかも、アナログ放送が停波すると、東京タワーからの出力は100kW程度にまで落ちてしまいます。すると、直線見通し1.3km以内でないと理論的に1mWは取り出せません。5kmの距離ではわずか0.07mWです。テレビのアナログ→デジタルの動きは世界的ですし、デジタル化に伴って電力が大幅に削減されるのも世界中同じです。はっきりいって、空中に飛び交う電波は、携帯電話を動かすには余りに足りないし、今後さらにそれは減っていくのです。対してNokiaの人(?)は、将来的には5mW、20mW、50mWと取り出せる電力を増やしていきたいと語っていて、これはすでにオカルトの領域です。存在しないエネルギーを取り出そうと言うわけですから。
と言うようなことをささっと頭の中で概算して、ジョークニュースだろう、と結論したわけですが、なんか大真面目にやってるみたい。本当にやってるんですかねぇ。きっと、実験室環境で、TV塔から至近の環境を模擬して実験して成功した、と言う程度だと思うんですけど。記事中でも、TV塔から4.1kmの距離で小さなセンサーを動かせた、と言う事例が言及されていますが、おそらくこの程度が限界です。同時に専門家の見解として「無線パワーは距離に対して指数的に減衰する」(=この技術の実用性に疑問がある、と言いたいのかな?)と言うコメントも紹介されています。発射局からの距離、すなわち地理や経済活動に大きく依存してしまうと言うことです。少なくとも日本での、アナログ停波後には、役立たずの技術です。
これに比べれば、太陽電池を搭載した携帯電話のほうがよほど現実的かつ経済的。なにしろ、「太陽」と言う桁違いに強力で普遍的な放射源があります。もし普及するとするなら、間違いなく太陽電池のほうでしょう。まぁそれには、まだだいぶ改善しなければならない点がありますが。
そんなわけで、このニュース、続報がどうなるのか、そもそも続報があるのか、それ以前に本当にジョークニュースじゃないのか、今後何か情報がありましたらぜひ教えてください(他力本願)。と言ったところで本日はこれにて。
2009/07/04 at 1:34:16
ソニーの製品で以前、充電器の近くに対応製品を置いておくと、
電波(磁力?)で、コード無しで充電できる機器があったような…?
それと、KX-HV200/210(Panasonic)は、磁力の仕組みで充電する非接点型の充電器を
採用してましたね、ただ、充電時間が長い上に専用充電器しか使えないので、
個人的には、使い勝手があまりよく無かったですね☆
そのあと、Panasonicは、PHSの端末(ホームアンテナ以外?)からは、撤退してしまったけど…。
2009/07/05 at 14:22:11
そう言えば、声で駆動電力を得る携帯電話が作れるって言っていたベンチャーがいました。
話を聞いたときには無謀なことを言っていると思いましたけど、
1mW の電力があれば動くのであれば大丈夫かもしれませんね。
ちっちゃな圧電素子でも LED を駆動できる程度の発電は出来ますから。
2009/07/05 at 23:10:48
電磁誘導による充電ってのはホント最近になって
やっとこさ実用レベルまで到達している技術で、
そうは言っても、今まで電気接点でいろいろと問題が発生したのを
解決するのやら、ケーブルさしたりするのが面倒だから
それを解決するためにあるだけで、
現状では三洋のwiiコントローラー用充電器やら
家庭用電話機の子機充電といった
まぁ、それほど急速に充電する必要が無かったり
するものばかりなのが現状。
ましてや、距離的にはほとんど接触させた状態で、
非接触型ICカード。つまりフェリカ見たいなもんの
情報通信じゃなくて電力供給版と考えればわかりやすいわけですが、
(まぁ原理的には同じようなもんですからね)
そういうもんですから、携帯電話みたいな
そこらじゅう歩き回って持ち歩くようなもんを
動かすなんてのはどう考えたって無理です。
まぁ、ソーラー充電携帯みたいに
補助的にテレビの電波で充電というのなら
好きにすれば良いんじゃないですか?っていうレベルですけど。
非接触充電を進化させて。ということであれば
皆さんが生命をかけるぐらいの電磁波発生装置でも
そこらじゅうに置けばそりゃ何とかなるでしょうけどね。
ま、そのうち携帯が非接触充電出来るようになるのは
そう遠くないと思いますけどね。
大して便利にならないわりに充電時間もかかるし
イマイチ普及しない気もするんですが。
個人的には、ありとあらゆる機器の充電方法を
統一さえしてくれれば家で絡まっていつもこまる
蛸足状態のACアダプタの塊をなんとかできるんですがね。
そういえば、microUSBによる充電が業界の標準となるような
記事もありましたね。
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0906/30/news018.html
まぁ、とにもかくにもコレを見習って
ありとあらゆるものにとりあえずメインじゃなくても良いから
microUSBからでも充電できるようにしてくれれば
助かるんですがね。
すでにUSB充電とか流行ってきてますけど。
2009/07/10 at 18:01:57
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