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05/03/28
あれ、この話はしましたっけ?。SDMA。いや、ポケットが導入するといったまま音沙汰がなくてどうしたんだろね、なんていう話を以前にした記憶があるのですが、このSDMA、聞くところによると、すでにポケットで導入済みのようです。ここでまた改めて説明しちゃいますが、SDMAってのは、Space Division Multiple Accessの略で、空間分割多重アクセス方式と訳されます。これは、簡単に言えば、右に飛んでいく電波と左に飛んでいく電波を分別することで、複数のアクセスを受け入れる技術。ひとつの基地局で、その右側と左側の異なる端末を区別して使うことで利用可能なチャネル数を稼ぐ方式です。って言うと、「携帯電話のセクタ方式と何が違うの?」という疑問が出てくるわけですが、その違いは、「全く同じ周波数の電波をそのまま使える」ってところが違うんです。つまり、セクタ方式と言ったときは、指向性のあるアンテナである一方向を狙う、というのがが主な技術的要件になるのですが、SDMAといったときは、「狙った方向以外からの電波を除外する技術」がものを言います。つまりアダプティブアレイのことなんですけどね。もともとアダプティブアレイは、狙った方向以外からの電波を受けないようにする(ヌル点を作る)ことができる技術。その目的は、隣り合った基地局同士で同じ周波数の電波を使えるようにすること。で、その「隣り合った基地局」というのをひとつの基地局でまとめてやっちゃおう、というのがSDMAといえます。つまり、SDMAはアダプティブアレイの自然な拡張なんですよね。で、どうやらポケットはすでに一年前にはSDMAを実用化していたらしくて。実際にどのくらいの基地局が稼動しているのかはわかりませんが、どうやら最新の8本アンテナの基地局、あれは間違いなくSDMA対応のようです(実際にSDMA制御を有効にしてあるかは別問題として)。ということで、都内の特に混雑したエリアではすでにSDMAは稼動しているであろうことはほぼ間違いないと思われます。世界広しとはいえ公衆無線サービスでSDMAを運用しているのはおそらくポケットだけでしょうね。ということで、SDMAについては実現してしまっていたわけですが、さらにそれを発展させたSDMA-MIMOについては、まだまだのようです。MIMOってのは、SDMAで空間的に分割する技術を応用し、お互い複数のアンテナを持ちお互い受信時に相手のどちらのアンテナからきた電波なのかを区別することで見かけ上複数の電波を使って通信しているように通信速度を上げられるといもの。このMIMOについては、さまざまな無線方式で導入が試みられています。というか、個人の手の届く値段でMIMO無線LANアクセスポイントなどもすでに市場に出ていたりします。ポケットにとってMIMOの実現の泣き所は、「お互いに波長のオーダー以上の距離離れた複数のアンテナが必要」という点、つまり、どうしても機器が大型化してモバイルには向かないというところです。少なくとも1.9G帯では、PCカードサイズで実現するのは非常に困難でしょう。その上、PHSの周波数利用効率の高さを活かしたマルチRFという手段での増速へと動き始めたポケットにとっては、いまさらMIMOを導入する必要性も薄れてきているとも言えます。とはいえ、マルチRFでリンク数を増やして増速、という手段を実現できた一つの理由として、間違いなくSDMA技術により大幅に利用可能なチャネル数を増やすことができるという点が入っているはずです。何はともあれ、まもなく耐用年数の切れるであろう東京都内中心の最初期基地局がこぞって最新8エレ基地局に置き換えられていくことは間違いなく、都内では今後さらにAIR-EDGEが快適になっていくでしょうね。ということで本日はこの辺で。


05/03/24
と言うことで、ようやく、auのPCサイトビューアも定額導入の運びとなったようですね。料金は、従来のパケット定額に対して+1500円。割引を考慮しない値段で言えば、9600円でようやくフルブラウザが定額になる、と言う計算になります。まぁ、ぶっちゃけ、合計で見ればドコモのパケホーダイと同程度の値段になっちゃってますね。適用可能な割引を全部適用しても8000円超、と結構なお値段。それでも、まだ端末での利用に限られた定額であるわけで、端末のせまーい画面で、と言うことに限るだけでもかなり通信量は絞れるはずなのに、それでこれだけの価格になってしまうと言うことを考えると、当分はデータ通信の定額プランというのは、携帯電話陣営で実現できるものはなさそうです。ちなみに、PHSでは似たようなところでは、と言うと、例えばso-netのbitwarp PDA。これは、特定のPDA上での利用に限ることで、月2000円での完全定額を実現しています。特定のPDAとはいえ、携帯電話よりは遙かに表現力も情報量も豊富。これを仮に同程度と甘く見たとしても、8000円と2000円、この4倍の差が、やはり携帯とPHSの周波数利用効率の圧倒的な差を物語っています。もちろん、携帯電話の方も、技術革新でどんどん周波数利用効率は上がっていますから、いずれは、フルデータアクセス定額のプランも実現することでしょうが、それはおそらく4Gと言われる携帯電話方式が実用化されてからでしょう。例えばドコモが今年中にも実用化を、と開発を進めているHSDPA、これによって完全定額を提供できる可能性についても考えられていますが、確かにHSDPAは従来より一桁上の周波数利用効率を持っています。しかし、それは非常に恵まれた条件をそろえたときの数字。ADSLと同じように、基地局から離れれば急速に通信帯域は落ちますし、そのような場所に置いても安定した通信を提供するためには、やはり相当シビアに帯域を制限する必要があり、そう言った諸々を考えるとやはり完全定額はかなり厳しいと考えられます。ただ、音声系は800MHz帯に、データ系は2G帯に、と完全に住み分けさせることで、ユニバーサルサービスとしての音声系に影響を与えることなく定額を実現できる見込みはあります。その場合は、当然のことながら、「遅くなろうと通信できない状況が起きやすくなろうと、データ通信と言うものにはシビアな即時性が求められるものではないから、そう言った品質劣化は担保しない」と言う立場での、定額導入となるでしょう。いやほんと、「エリアが広く速度も速い」と言うイメージの先行している携帯電話で完全定額となるとおそらくかなりの加入者が殺到しますから、人口密集地から順にあっという間に使い物にならないくらい輻輳が起こり始めると思います。そう言う事態を防ぐには、やはりかなり高額な値段での定額とし、PHS定額とある程度ユーザ層の棲み分けを計らざるを得ないのではないかなぁと私は思います。正直、PHSが存在しなければ携帯電話でのデータ完全定額というのは成立する余地が無いだろうとさえ思っています(その場合は実現する意味も無いのかも知れませんが)。と言うことで、まぁ取りあえずはフルブラウザ完全定額が出てきたところで、携帯電話としてはここがコストダウン目標の一段落地点なのかなぁと思っていたりします。と言うことで本日はこれにて。


05/03/21
さて、取りあえず音声定額ネタは今日で一段落させるつもりで今日の一言。今日は、定額プランの今後について。まず、定額プランそのもので、一体どのような変化がポケットにもたらされるか、と言う点です。定額プランは、確かに非常にインパクトはありますが、そうは言ってもポケット同士のみの限定的な定額です。そう言う意味では、携帯電話の客を奪ってしまうような魅力かどうかと言うと微妙であると言えるでしょう。と言うことで、コンシューマ系での顧客増加もこれまた限定的と言えると思います。一方、法人向けには、例えば法人の携帯電話契約を丸ごと全部ウィルコム定額プランに変えてしまうことで、スタッフ同士の連絡を完全に定額にすることが出来るため、コスト意識の高い企業からは引き合いが数多あるでしょう。現状、法人ユーザはAIR-EDGE中心に数十万人。音声通話はデータ通信よりもより広い需要なので、法人だけに限ってもこの数倍の潜在需要はあるでしょう。ただ、ポケットの営業力にも限界があるでしょうから、これまたある程度限定された導入にとどまると思われます。と言うのが実際にどの程度の回線数になるかというのは難しい質問です。ポケットの経営陣は定額だけで百万契約増を目指しているようですが、私の個人的な予想と断った上で数字を出すならば、来年度末までに+30万くらいかなぁ、なんて思っています。それでも、低迷の続いているPHS市場を考えればずいぶんな躍進であるとは思うんですけどね(ポケットにとって損益分岐点を越えられるかは別問題として)。と言う感じで、私としては割と穏やかな予想を立てているのが加入者という点。次に、この音声定額と言うサービスが今後どのように発展していくのかについて。ポケット自身が発表しているとおり、IP電話や固定電話への拡大が見えているようです。まずはIP電話でしょう。IP網同士の接続を定額で出来るよう交渉が進めば、すぐにでも実現の目途がたつと思われます。それから、少々難しいと思われるのが、一般固定電話への定額。なんと言っても、固定電話事業者が従量制の接続料を取っている以上、それを定額にするのはなかなか難しいと思われます。ただ、固定電話は交換の手間はあれどつながってしまえばフィクスドな回線を占有可能なものですから、例えば接続料を定額+一通話いくら、みたいな形の契約に持ち込めれば、少しのオプション料金程度で対固定定額も実現可能と思われます。最後、そして誰もが望んでいるであろう、対携帯電話への定額ですが、この実現可能性は事実上0だと私は思っています。ポケットも同じように考えているようで、交渉のテーブルさえ用意されていないと発言しています。これは、携帯電話そのものが、定額に出来ないシステムだからです。携帯電話事業者は、発信において浪費される電波資源に見合った料金をとることで電波資源を守っているのと同様、着信でも電波資源は浪費されるためその浪費に見合った接続料金を取ることでバランスをとらなければならないからです。つまり、携帯電話への着信についての接続料はどうやっても定額契約には出来ず、それ故にポケットが対携帯の定額を実現することが極めて困難と言えるわけです。また、戦略的にも、もしポケットの定額サービスが携帯相手にも定額となるとそれは携帯の加入者数さえ脅かす驚異となりうると考えることは当然であり、わざわざ競争相手を利するようなポケットへの接続料定額提供と言うことはまずなされないであろうと言う点もあります。ただ、ポケットが(従量接続料による)最低限の赤字は覚悟で、割と高額の携帯向け定額オプションを提供する可能性はありますが・・・。と言うことで、今日は定額サービスの今後についてでした。でわ~。


05/03/17
引き続きウィルコム定額プランについて。今日は、どういう使い方をする人がこの定額プランを使うとお得になるのかなぁ、ってのを考えてみます。勝手に。まずは、すでにポケットの電話を持っていて、しかもかける相手のほとんどがポケットの電話、っていう人。つまり、私みたいな人ですが、こういう人はほぼ間違いなく定額プランにした方が得になります。例えば標準コースとの比較で言えば、標準コースは年間契約割引で2295円。定額プラン2762円との差は467円で、これは時間に換算すれば最大50分弱、最低では20分以下と言う程度。つまり、一月の通話が一時間以内に収まるような人を除けば、ほぼ確実に定額プランの方が得になるわけです。これ以外のコース(昼得やデータセット割を除く)となると、すでに基本料が定額プランを超えているため、定額プランに変えて得することはあっても損することは絶対に無いわけです。しかもメールも自動的に無料になるため、ある程度メールを使う、と言うだけでも定額プランに変更する価値があります。お次は、ポケットの電話は持ってるけど相手はほとんど携帯、っていう人。こういう人はちょっときちんと利用料を計算しないといけませんが、携帯電話宛ての電話も微妙ではありますが安くなります(AIR-EDGE系各コースと同等)。もし、パックコースのパック料金の大半をパケット料で消費しているような状態なら、パケット料金も安くなる定額プランに変えることで安くなることもあり得ます。ついでに、よく電話する相手にポケットをお勧めすればさらに安くなりますけど(がびー)。一方、ポケットの電話を持ってるけど相手はほとんど同一市内の固定電話、ってひとは、変えないのが吉。逆に遠隔地の固定電話相手が多いなら変えた方が安くなる場合があります。定額プランでは、距離別料金も廃止されてるんですよね(IP電話っぽい!)。さて最後に、ポケットの電話を持ってない人。こんな人で、例えば電話する相手が全然定まっていないような人なら、全く用はありません。ただ、電話する相手が特定の一人(または少数)、つまり、家族や恋人同士の通話が非常に多い人。例えば、特定の一人との間の通話が大半と言う人で、携帯電話の通話料だけで二人合計で月に5000円以上かかっているような人だったら、携帯電話はそのままで二人で定額プランの電話を新規で持てば、その月額料は2900+2200=5100円。これだけで、二人の間は完全に話し放題です。これが家族ならさらに条件は緩く、4人家族でも9500円、家族の誰か一人でもAIR-EDGEを使っていれば8800円で、家族の間の電話が完全に無料になる、言ってみれば「家族内モバイル内線システム」が組めちゃいます。エリアが心配だから携帯電話も(最も安い基本料で)持って置き、でも通常の連絡はすべてこの定額電話で、と言う使い方なら、下手すりゃぜーんぶ合計でも現在払っている料金より安くなることだって考えられます。その上、PHS同士の特権、つまり携帯電話の比にならないほどの高音質もついてきます。ついでについでにメール放題、しかも、メールだったらキャリアの違う友達相手に送っても無料。ここまで考えれば、コスト削減効果はかなりのものでしょう。携帯電話を維持したままでも。つまり、すでに携帯を持っている人にとっては、携帯電話を持ったまま(つまりエリアの心配をすることなく)新たに追加することで全体を安く、しかも話しすぎを心配しなくて良くなると言うようなメリットがあるってことです。どうしても電話を新規契約するっていうと前の電話は解約、って考えがちですが、この「今の電話を持ったまま」と言う考え方をもっと浸透させることが、これからポケットがすべきことでしょうね。と言うことで、この話はさらに続くかも知れませんが、続きは多分来週です(苦笑)。


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