黒いページ企画2
NTTパーソナルの罪と陰謀

みなさん、NTTパーソナルというキャリアがあったことをご存じですか?
そう、今はNTTドコモに吸収された、PHSキャリアです。
今でも、時折電柱にくっついたPHS基地局にその懐かしのロゴを見ることがあります。
この、NTTパーソナルこそ、諸悪の根元!PHS=つかえないと言うイメージを日本国民に植え付けた張本人なのです!それはどういうことか?ゆっくり説明しましょう。

1.PHS創生期
そもそも、PHSは家庭用デジタルコードレスホンを屋外でも使えるようにしたシステムです。そのため、基地局の出力もしれたもので、家庭用親機に毛が生えた程度のものでした。しかし、基本料金が携帯電話の半分以下、という、廉価感もあり、携帯電話を脅かすほどの勢いで普及していったのです。それに伴い、キャリアも続々とエリアを拡大し、まさに携帯電話に匹敵するエリアを持つに至りました。ところが・・・。

2.NTTの陰謀?
PHS業界トップを走るDDIポケットは革新的な「高出力アンテナ」で一気にエリアを拡大し、またエリア内での安定通話を実現、電話としての性能はどんどん発達していきました。それに伴い、ユーザーもエリアもしっかりと増えていったのです。ところが、NTTパーソナルは、と言うと、技術力のある会社がついているにもかかわらずいつまでも低出力アンテナでエリア構築を続け、町の中がまさに「穴だらけ」のぼろぼろの通話エリアでした。「建物の陰では使えない」「建物の中では使えない」「郊外でも使えない」・・・つまり、どこへ行っても使えない、「最悪の」キャリアとなってしまったのです。さて、ここからは黒いページならではの黒い「憶測」です。同じNTTグループのNTTドコモは、当時、携帯電話トップをひた走っていました。ところが、思いもよらぬ刺客、「DDIポケット」が現れたのです。このままエリア拡大を続けられたら、100パーセント携帯電話はPHSに食われてしまいます。そこで、何とか、「PHSは使えない」というイメージを作らなければなりませんでした。しかし、堂々と「PHSはだめです、携帯にしなさい」なんてCMをうつのは、下手をすると企業イメージがダークになってしまう恐れがあるためそんな戦略はとれません。しかし、NTTグループは、幸いにも、DDIポケットに押さえられてはいたもののPHS業界2位のキャリアを抱えていました。基本料・通話料とも高い携帯電話と、格安のPHS、どちらが儲かるかは火を見るより明らかです。NTTパーソナルは将来的にドコモに吸収されることを条件に捨てゴマとなったのです。つまり、表面上はDDIポケットに匹敵するエリアに拡大させながら、その実、そのエリアはほとんど低出力アンテナで、「エリア内で全く使えない」状況をわざと作り出していたのです。NTTパーソナルは、こうして、全く使えない、と言う評価を各地で頂きました。現に、私の周りにも、NTTパーソナルと、DDIポケットのユーザーが半々くらいでいましたが、先に携帯に乗り換えたのはNTTパーソナルユーザーでした。そして、その元NTTパーソナルユーザーが、「PHSは使えないから携帯にしなよ。」とDDIポケットユーザーをそそのかした結果、DDIポケットユーザーもほとんどが携帯に乗り換えていきました。そうです、NTTグループが束になって、たかが一PHS事業者のDDIポケットをつぶしにかかったのです。

3.そして、ドコモPHSへ・・・。
そして、(かねてからの約束通り?)NTTパーソナルは経営に困難を来してNTTドコモに吸収されました。これで、DDIポケットは「使えないPHS」と言う肩書きを背負ってつぶれ、NTTの天下となるのは確実かと思われました・・・。ところが、あろう事か、DDIポケットはあえてPHSと言う呼び方を捨て、「ハイブリッド携帯・エッジ」と名乗り始めたのです。しかもその性能は一般の携帯電話を遙かにしのぐものでした(とはいえ、NTTの謀略でユーザ数をのばし損ねたDDIポケットは携帯ほどのエリアを確保できずにいましたが・・・)。また、64kという、携帯電話としては驚異的なデータ通信性能を押し出して、再び携帯電話を脅かしにかかったのです。しかし、NTTドコモには秘策がありました。DDIポケットの動きを察知したNTTドコモは、いち早くPHSで64k通信を開始したのです。しかも、その方式は、技術的に簡単ですぐに実現しやすい、「ギャランティ方式」という、非常に不安定な接続方式でした。先にサービスを始めたドコモのPHSを使い、「やっぱりPHSはすぐ切れるんだ」という評判を立てられればそれでよし。それがだめになる場合にも備えて、もう一つ秘策を持っていました。それが、携帯とPHSの「抱き合わせ」でした。ドコモの携帯を持っているならPHSも一緒に契約すると元々よりも安くなる、という、市場競争原理を全く無視した戦略に出たのです。つまり、高音質、高速通信を武器に息を吹き返してきたDDIポケットに対抗するため、無理矢理携帯ユーザにPHSをもたせ、データ通信のためにDDIポケットを契約する、というユーザが出ないように囲い込んでしまったのです。これで、DDIポケットは完全に息の根をたたれました。2000年度には加入者数純減に転落、ついにNTTの天下がやってきたのです・・・。

4.DDIポケットに逆襲の道はあるのか?
追いつめられはしたものの、DDIポケットは赤字覚悟のサービス展開をして何とか息をつないでいますが、どんな新サービスを打ち出しても、ことごとくNTTにつぶされてきました。最近の話題で言えば、新企画feel-H"を出したときがそうです。ドコモは、タイミングを計ったかのように、feel-H"のリリース直後に、携帯初のjava搭載端末503シリーズを送り出しました。このため、feel-H"に世間の目が集まったのはわずか2週間程度となってしまったのです・・・。しかし、DDIポケットはついに最後の逆襲に出ました。「128kデータ通信」です。これは危険な賭です。128k通信は基地局を一つ丸ごと占拠してしまいます。そのため、近所で誰かが128k通信を始めるとアンテナ数の少ない郊外では「圏外」になってしまう恐れがあるのです。当然、ドコモはそこを突いてくるでしょう。DDIポケットは、このようなことの起こらないよう全アンテナの二重化を進め、さらに大出力・大回線容量のアンテナの設置も検討中です。しかし、ドコモPHSは、そのような欠陥を「残したまま」128kに参入してくるでしょう。再び「使えないPHS神話」を巻き起こすためにです。そして、緩やかにデータ通信ユーザーを超高料金の次世代携帯電話に追い込んでいき、再びNTT天下を目指すでしょう。つまり、DDIポケットが何をやっても、最初から勝負は決まっていたのです。NTTが、NTTパーソナルという会社と、PHSと言う優れた通信方式をを捨てゴマにした時点で・・・。

5.本当に終わりなのか・・・?
本当にこのままNTTドコモの天下となるのでしょうか?もはや、この日本では正当は競争は行われないのでしょうか?NTTドコモの牙城を崩せるものは、ついに現れないで終わってしまうのでしょうか・・・?そんなはずがありません。日本には、「公正取引委員会」があります。ドコモの携帯・PHS抱き合わせ販売は明らかに不当廉売です。公取委が動かないはずがありません。もし公取委が動き、しかるべき措置が執られるとすれば、それは、「携帯・PHS・次世代携帯事業の切り離し」でしょう。NTTが、東西、および市外通話に切り離されたように・・・。こうなれば、「データ通信はできないし、音質の悪い」携帯事業は、思い切った値下げに踏み切るより生き残る道はありません。また、「捨てゴマになるためのめちゃめちゃなサービス展開」を行ってきたPHSも、あっという間に破綻し、「現存ユーザを守るためだけに」他キャリアに吸収されるでしょう(衛星携帯電話イリジウムのように)。残った次世代携帯電話のみが、DDIポケットと激しい、しかし正当な競争を続けることになるでしょう。これが、日本の通信業界のあるべき姿であり、まさに理想なのです。この状況を作り出せれば、我々ユーザーもよりよいサービスを受けることができるようになるのです。マイライン関連の激しい値下げ合戦はみなさんもご存じかと思います。これが、競争のあるべき姿なのです。各社が切磋琢磨して、より低価格で、より高品質なサービスを提供できる社会、それが到来するのは、もうすぐかもしれません・・・。


※この結末には、NTTグループ各社、DDIポケットしか出てきませんが、その他のキャリアも当然ここには絡んできます。KDDI、Jフォンが次世代携帯電話に乗り込んでくれば競争はさらに激しくなりますし、もしAstelがデュプレックス方式をパワーアップして全国展開してくればDDIポケットのPHSトップの座さえ危ういかもしれません。しかし、それが本当の競争市場なのです。いまのNTTドコモの一人勝ち状況はこのような正当な競争を阻害し、日本を世界から取り残させてしまう非常に危険な状況なのです。



この文章は(多分)フィクションです。現実の出来事以外はすべて筆者の想像によるものです。